母島2日目

起きた後に朝食です。メニューはごはん・納豆・みそ汁・のり・アジの開きとまるっきり旅館の朝食です。

朝食の後、乳房山に向かうべく準備をして、船の情報収集を兼ねてまずは港の母島観光協会へ向かいます。そこで、12時出航予定のゆり丸が14時くらいの出航になり、明日のおがさわら丸に乗るには14時のゆり丸に乗らなければならないかも、という情報を教えてもらいます。まだ噂レベルの情報で、少なくとも12時までは出航することはないということなので、乳房山に向かうことにします。

乳房山に登頂すると、観光協会で登頂証明をくれます。頂上の標高が書いてある説明の拓本を取ってくればよいようです。これはもらっておくべきでしょう。ということで、登頂証明キット300円也を購入します。拓本用の紙とクレヨンの他に経路の説明の紙などが入っています。

準備も整ったところで8時30分頃乳房山の登頂を開始します。結構傾斜もきつく思ったより本格的です。考えてみれば海岸の0m地点から463mまで上がるのですから当たり前です。すぐに汗が滝のように出てきます。ここでも日頃の運動不足を痛感します。以前サンダルでここを登ったというK山君の過去の過ちを繰り返さないために、ほとんど乳房山だけのためにトレッキングシューズを持ってきて正解でした。

もちろん大変なだけではありません。景色もよいですし、ウグイスや母島固有種のメグロが沢山います。本当にあっちこっちにいます。すぐそこで鳴いています。

がんばって登って目標どおり10時ちょうどに頂上に到着しました。なかなか見晴らしもよく、写真を撮ったりします。到着直後に港付近で「防災母島」のアナウンスが流れました。辛うじて山頂まで聞こえてきます。どうも、ゆり丸出航が16時に変更になって、明日のおがさわら丸に乗るためには、それに乗らないといけないと言っている気がします。いまいち自信がないため、観光協会に電話して確認するべきでしょう。山頂でもDoCoMoの携帯圏内だったのでさっそく電話してみます。やはり、ゆり丸は16時出航でおがさわら丸は明日14時出航の予定が8時に繰り上がったそうです。今日父島に戻らなければいけません。昨日、あんなに「明日はどこどこに行こう」とか思ったのは失敗だったかもしれません。昨日のうちに行っておくべきでした。しかし後悔先に立たずです。しょうがありません。

慌てて下りないと間に合わないというほどでもないので、15分ほど山頂で休憩した後別ルートで下山を開始します。おっと、登頂証明用の拓本をとるのを忘れています。危うく300円が無駄になるところでした。登頂証明キットを取り出し、拓本をとりましょう。景色のよいところで写真を撮ったりしつつ11時30分頃下に戻ります。観光協会に行って証明書を発行してもらいましょう。途中、港の近くで宿のねえちゃんとばったり会います。16時の船に乗るので15時チェックアウトということになりました。観光協会に行って取ってきた拓本を見せます。なんかパウチに10分くらいかかるということで、待合室で待つことにします。20分くらいたって登頂証明書ができあがります。結構立派です。ちゃんと名前とシリアルナンバーが入っています。認定番号2039号です。

次にすぐ近くの清見が岡鍾乳洞に行ってみることにします。そのまま観光協会で入り口の鍵とヘルメットを貸してもらいます。「あんまり広くなくて、戦時中多目的に使っていたので鍾乳石などもない。」とのことです。さらに「おもしろくなかったら、月ヶ岡神社も見てみるといいよ。」だそうです。観光協会の人が「おもしろくなかったら」とか言ってていいのでしょうか。いや、きっと母島だからいいんでしょう。ちなみに観光協会は12時から13時まで昼休みだそうで、見学が終わったら鍵とヘルメットはその辺に置いておけばいいそうです。

5分もかからず鍾乳洞の入り口に到着です。早速錠を開けて中に入ります。たしかに鍾乳石などは残っておらず、広さもそれほどないのですが、上に生えているガジュマルの気根が洞内に垂れ下がっていて、おもしろい光景です。

鍾乳洞の後は、上にある月ヶ岡神社を見てみましょう。周りに瓦樹丸がたくさん生えています。この瓦樹丸の気根がさっきの洞内まで下りていっているわけです。地形もおもしろいです。珊瑚礁由来の岩石のようです。

さて、鍾乳洞と神社を見たので、鍵とヘルメットを観光協会に返しに行きましょう。予告どおり昼休みなので、カウンターのはじっこに置いておくことにします。

乳房山登頂で汗だくになったので、一旦宿に戻りシャワーを浴びることにしましょう。シャワーの後、昨日おやつ代わりに買っておいたパンで昼食にします。今日父島に戻るということは、今晩の宿を手配しないといけません。とりあえず、父島の観光協会に電話していくつか紹介してもらいます。その中に昨日お弁当を買った美津の宿がありました。ここなら食事に期待ができるかもしれません。電話してみましょう。空きがあるとのことなので、予約しておきます。

これで、宿の手配もできました。荷物をまとめ終わっても、まだチェックアウトまでは1時間ほど時間があります。ここはすぐ近くのロース記念館を見学しに行くべきでしょう。宿を出て3分でロース記念館に到着です。中にはいると店番(?)は昨日ゆり丸で隣にいたおばちゃんです。ここでアルバイトしてるんだそうです。世間話をしつつ展示品を順番に説明してもらいます。母島の歴史なんかもなんとなくわかった気がします。

そろそろチェックアウトの時間も近づいてきたので宿に戻りましょう。清算をした後15時過ぎに港まで送ってもらいます。乗船手続きをしたあと、出港までぶらぶらします。

16時になりいよいよ沖港を出港します。考えてみると昨日の15時に到着しているわけですから25時間くらいしか母島にはいなかったことになります。K山君のハワイよりはちょっとまし、といったところでしょうか。乳房山だけはかろうじて制覇しましたが、北港や南崎には行けませんでした。御幸の浜も通っただけです。いつの日にか母島リベンジをしようと心に誓います。

船の中ではすることもないので、ごろごろしたり時々甲板に出てみたりします。だんだん母島がうっすらとしてきて、父島がはっきり見えてきます。

二見港が見えてきた頃でしょうか、船内アナウンスが流れます。「明日8時発の予定のおがさわら丸は、本日21時に出港します。」台風のスピードが上がったので、出港をさらに繰り上げたようです。

18時30分頃二見港に到着します。とりあえず、ははじま丸待合所からおがさわら丸待合所に移動します。美津にはキャンセルの電話を入れましょう。電話をすると、「夕食を準備したから食べに来ないか?」とのこと。乗船してすぐまずくて高くて少ない船内レストランというのもナンなので、どっちにしてもどこかで夕食は食べないといけません。せっかくですから美津に食べに行くことにしましょう。大きい荷物は待合所に放置して出かけることにします。途中ちょっと道を間違えて待合所近くまで戻って来ちゃうというハプニングがあったものの、美津に到着。夕食をいただきます。予想通りおいしい夕食です。お店の方もまだやっていたので、船内で飲む飲み物を仕入れましょう。

おなかもいっぱいになったので、待合所に戻ります。乗船手続きをして荷物を預けてしまいましょう。出港まではうだうだして過ごします。20時40分頃乗船開始です。そして21時、当初の予定より17時間早く父島二見港を出港します。母島に若干未練が残るものの、天気にも恵まれ満足できる旅行だったと振り返ります。

こんな真っ暗でも父島タクシーのボートが見送りについてきます。そのボートも二見湾を出るくらいで帰っていきました。二見港を振り返ると父島もそれなりに夜景が見えます。

父島から離れていくと、海は真っ暗で何も見えません。することもないので、シャワーを浴びて寝ることにします。